文法-意味 grammar meaning
「AだけにB」は2つの意味・用法があります。
①「A」という理由があるので、よりいっそう「B」だ、と言いたい時に使います。
②「A」という理由があるので、当然「B」だ、と言いたい時に使います。
■ ①の意味で使う場合
・あんなに努力しただけに、試験に落ちた時は悲しかった。(試験に落ちるというだけで悲しいが、努力したという理由があるのでよりいっそう悲しい)
■ ②の意味で使う場合
・山田さんは10年もアメリカに住んでいただけに、英語が上手だ。(アメリカに住んでいたという理由があるので当然英語が上手だ。)
接続 formation
動詞・イ形容詞・ナ形容詞・名詞の全てに接続して使うことができます。
V(普通形) + だけに
イ形(普通形)+ だけに
ナ形(普通形)な/である + だけに
N な/である + だけに
関連文法 related grammar
理由を説明する文型に「~からこそ」「~ことだし」がありますが、「~からこそ」は他の理由ではなくて、その理由が一番の理由だと言いたい時に使われます。「~ことだし」はいくつかある理由の中のついでの理由を言う時に使われます。
・「~からこそ」=その理由が一番の理由
・「~だけに」=その理由があるのでよりいっそう/当然
・「~ことだし」=ついでの理由
共起表現 collocation
①の意味で使う時「より一層」「なおさら」「一段と」などの言葉一緒に使わることが良くあります。②の意味で使う時「当然」などの言葉と一緒に使われることが良くあります。
例文 example sentences
①より一層
・あの会社は第一志望だっただけに、落ちた時はショックだった。
・予測されていなかっただけに、今回の地震の被害は一段と大きかった。
・彼の頑張りを間近で見ていただけに、彼には心から成功して欲しいと思っている。
・この山でたくさんの人が亡くなっているだけに、今回の登山には入念な準備が必要だ。
・たくさんの反対意見があるだけに、計画の中止を考えざるを得ない。
・事情が複雑なだけに、簡単に外部な人が口を出さない方がいい。
②当然
・彼は経験が豊富なだけに、他人へのアドバイスも的確だ。
・今回のプロジェクトは重要なだけに、経験豊富な社員に任せたい。
・この仕事をするのは初めてなだけに、当然時間がかかるだろう。
・あの人はプロの芸人なだけに、話が面白い。