JLPT Grammar & 日本語文法

れる/られる(受身形)
《文法-N4 Grammar》

例文

かれ先生せんせい名前なまえれた
He was called by the teacher.

②このほんおおくのひとれています
This book has been read by many people.

わたし電車でんしゃなか財布さいふぬすれた
My wallet was stolen on the train.

意味・用法
①動作主ではなく、その動作の対象である人や物の視点から動作を述べるために使われる。(動作の対象を主語にして述べる。)

②文の主語がどのような特徴をもっているか述べるときに使われる。

③文の主語がその動作により被害や迷惑を被っていることを表すために使われる。

英語  -
① The passive form is used when describing an action from the perspective of the person or thing affected by the action, rather than the person who performed it. (In other words, the object of the action becomes the subject of the sentence.)

② The passive form is used when describing the characteristics or qualities of the subject. 

③ The passive form is used to show that the subject of the sentence has suffered damage or inconvenience as a result of the action.

詳しい文法解説  grammar point

用法①:動作の対象側の視点で述べる

動作主(その行為をした人物)ではなく、その動作を受けた対象(人、物)を主語にして文を述べるときに受身形が使われます。

日本語でも基本は、より自分に近い人物に視点をおいて物事について述べます。

下記の例文1,2はどちらも成立した文ですが、あえて客観的に述べたい場合などを除き、例文2のように言うほうが普通です。

1. 先生せんせいわたしめた。
The teacher praised me.

2. わたし先生せんせいられた
I was praised by the teacher.


用法②:主語の特徴を述べる

日本語では、例文3のような無生物を主語とした受身文はほとんど使われませんが、その主語がどんな特徴をもっているか述べたいときには使われます。

3. その教科書きょうかしょわたし使つかわれている△?
That textbook is being used by me.

4. その教科書きょうかしょおおくの日本語学習者にほんごがくしゅうしゃ使つかわれている
That textbook is used by many learners of Japanese.

「○○に」に入る名詞

以下のような、なんらかの無生物の特徴を述べる文で「二格」にくるのは、不特定の人物であったり、良く知られている特定の個人などで、普通の個人は基本的には使われません。

5. そのアプリはたくさんのひと利用りようされています。
That textbook is being used by me.

6. そのアプリはビルゲイツに利用りようされています。

7. そのアプリは山田やまださんに利用りようされています。△?
(山田さんもそのアプリを利用しています。)

例文7も非文とまでは言えないが、通常は無生物よりも知っている人物に視点を寄せて述べるので普通は能動文を使って述べられる。


用法③:被害や迷惑の表明

③-1:間接受身文

動作主が対象(人物)に行う動作によって、主語が間接的に影響を受ける場合にも受身形が使われます。このような文は間接受身文と呼ばれ、通常被害や迷惑を被っていることを表したいときに使われます。

受身をこのような形で使うのは日本語に特有で英語を始めとする他の言語ではほとんど見られません。

8.(私は)おとうとケーキられた
I had my cake eaten by my younger brother.

動作主:弟
動作の直接の対象:ケーキ
主語=間接的な影響(被害)を受ける人:私

9. 私は)友達ともだちしたほんよごされた
I had the book I lent to my friend stained.

動作主:友達
動作の直接の対象:貸した本
主語=間接的な影響(被害)を受ける人:私

 

③-2:自動詞の受身

自動詞は通常のその作用によって影響を受ける対象がないため受身形は使えないように思えますが、利害の表明を表すためであれば使われます。

10.わたしは)かれまえあるかれて邪魔じゃまだった。
He was walking in front of me, and it was annoying.

動作主:彼
動作の対象:なし
主語=間接的な影響(被害)を受ける人:私

11.(私は)突然とつぜんあめられて、ずぶれになってしまった。
I was caught in a sudden rain and got completely soaked.

動作主:雨
動作の対象:なし
主語=間接的な影響(被害)を受ける人:私

 

③ー3:持ち主の受身

主語となる人物の身体部位や所有物が動作の対象であり、主語が被害を受けている場合も以下のような形で受身形が使われる。

身体部位

12. その選手せんしゅうで相手あいてられた
The player had his arm broken by his opponent.

所有物

13. わたし財布さいふ友達ともだちぬすれた
I had my wallet stolen by my friend.


※持ち主の受身は必ずしも被害を意味するわけではなく、動詞によっては以下のような利益があったことを意味する場合もります。

14. わたしはドレスを友達ともだちられた
I was complimented on my dress by my friend.

受身形が使われない動詞

可能形、可能の意味がある動詞

「行ける、食べられる、できる」といった動詞の可能形や、「見える、分かる」といった可能の意味のある動詞は受身形を作ることができません。

15. わたしかれさきにできられた。✖

16. かれこたえをられた。✖


状態を示すような自動詞

受身形は通常、動作主の対象に対して何等かの影響を与える動作について、対象(物・人)の視点から述べるときに使われます。したがって、「ある、要る、値する、違う」といった対象に影響を与えることを表さない動詞は受身形が使われません。ただし「いる」は受身形が使われます。

17. 問題もんだいにあられてわたしこまった。✖

18. そこにいられる邪魔じゃまなんだよね。

接続  formation

受身形活用表

「Group2の動詞(ru-verb)、する、来る」の受身形は可能形と同じ形をしています。

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~せる/させる(使役)
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~てもらう 
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例文  example sentences




用法①:動作の対象側から動作を述べる

・私の友達は、昨日突然知らない人に話しかけられたそうだ。
My friend was suddenly spoken to by a stranger yesterday.

・私は彼に助けを求められた
I was asked for help by him.

・彼に、明日時間があるかと聞かれた
I was asked by him if I was free tomorrow.

用法②:主語の特徴を述べる

・この漫画は多くの国で読まれている
This manga is read in many countries.

・この絵は、江戸時代の有名な画家によって描かれました
This painting was drawn by a famous painter of the Edo period.

・この曲は、たくさんの歌手にカバーされている
This song has been covered by many singers.

・エベレストはすでに多くの登山家に登られている
Mount Everest has already been climbed by many mountaineers.

用法③:被害/迷惑の受身

・私は彼に変な噂を流された
I had a strange rumor spread about me by him.

・私は彼に嘘をつかれた
I was lied to by him.

・私はスマホを友達に壊された
My smartphone was broken by my friend.

・家の前に車を停められて迷惑だった。
I was annoyed that someone parked their car in front of my house.

用法①:動作の対象側から動作を述べる

わたし友達ともだちは、昨日きのう突然とつぜんらないひとはなしかけられたそうだ。
My friend was suddenly spoken to by a stranger yesterday.

わたしかれたすけをもとられた
I was asked for help by him.

かれに、明日あした時間じかんがあるかとれた
I was asked by him if I was free tomorrow.

用法②:主語の特徴を述べる

・この漫画まんがおおくのくにれている
This manga is read in many countries.

・このは、江戸時代えどじだい有名ゆうめい画家がかってえがれました
This painting was drawn by a famous painter of the Edo period.

・このきょくは、たくさんの歌手かしゅにカバーされている
This song has been covered by many singers.

エベレストはすでにおおくの登山家とざんかのぼれている
Mount Everest has already been climbed by many mountaineers.

用法③:被害/迷惑の受身

わたしかれへんうわさながれた
I had a strange rumor spread about me by him.

わたしかれうそをつかれた
I was lied to by him.

わたしはスマホを友達ともだちこわれた
My smartphone was broken by my friend.

いえまえくるまられて迷惑めいわくだった。
I was annoyed that someone parked their car in front of my house.


<参考文献>
高見健一『受身と使役 その意味規則を探る』

まさおき
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