丁寧語 polite language/form
丁寧語
丁寧語とは、敬語の分類の一つです。文末に「です」「ます」を付ける形が丁寧語です。また、さらに丁寧な形として「~(で)ございます」の形もあります。
外国人学習者向けの教科書や教育現場などでは、「です・ます」の形を「丁寧体(polite form)」、それに対し「だ・である)」で終わる形を「普通体(plain form)」と呼ぶことが多いです。
尊敬語は相手側の行為*1にのみに、謙譲語は自分側の行為*1にのみに使うという制限があるが、丁寧語は、相手側・自分側に関係なく広く様々なことを述べるのに使うことができます。
丁寧語:
「です、でした、じゃないです、じゃなかったです」などの形
「ます、ました、ません、ませんでした」などの形
「でございます」の形
・こちらはとてもおいしい魚でございます。
This is a very tasty fish.
*1:行為だけではなく、ものごとや状態にも使われる。
*丁寧語には「高い→たこうございます、重い→おもうございます」のように形容詞に「ございます」が付く形もあるが、現代ではあまり使われなくなっている表現です。
美化語
「お酒」「お祝い」、または「ご祝儀」などのように、ものごとを美化して述べる「お/ご+名詞」などの語は一般に美化語と呼ばれます。
ただし、「お/ご+名詞」の形が全て美化語というわけではありません。例文1の「お名前」のように、相手側の物事を立てるために使われる「お/ご+名詞」は尊敬語に分類されます。また、例文2のように話し手から立てる相手に向けての物事は謙譲語に分類されます。
1. お名前をこちらに書いていただけますか?〇
Could you please write your name here?
2. 分かり次第すぐにご連絡をいたします。〇
I will contact you as soon as I find out.
「お/ご+名詞」が何に分類がされるかは学習上、あまり重要ではありません。重要なのは、言葉によっては自分側のものごとには使われない語があるのでそれを知っておくことです。
<自分側のものごとに対しては使われない語>
お名前、お言葉、お手元、ご住所、ご自宅、etc.
3. 私のお名前はこちらに書けばよろしいですか?✖
Do I write my name here?
4. 私はご自宅でペットを飼っているんです。✖
I have a pet at home.
基本的に「名詞」が和語の場合は「お+名詞」、漢語の場合は「ご+漢語」となるのが原則ではありますが、以下のように例外もたくさんあります。
例外:「お+漢語」の形をとる語
お料理、お化粧、お元気、お食事、お掃除、お洗濯、お弁当、お電話、etc.
例外:「お/ご」のどちらも使われる語
お返事/ご返事、ご勉強/お勉強、etc.
関連文法 related grammar
参考文献 References
・敬語の指針(文化庁 文化審議会答申)
・「お返事」?「ご返事」?(NHK放送文化研究所)
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